-目次-
1. 「心の免疫力」とは
2. 「心の免疫力」を高める方法
1.「心の免疫力」とは

「心の免疫力」とは、困難な状況やストレスを感じる状況に直面した時に、それを乗り越えて立ち直る力のことです。それは、どんな状況や社会でもへこたれずに「逞しく生き抜く力」と言っても良いかもしれません。人生において、すべてが順風満帆に進むわけはではなく、ひとつも困難や挫折もなく生きていけるわけではありません。変化が激しく先の予測が難しい現在社会において、逆境を乗り越えるために必要な「心の免疫力」は、何よりも重要な力と言えるのではないでしょうか。
2.「心の免疫力」を高める方法
「心の免疫力」を高めるカギとなる もの、それは「子どもの自主性」を育むことです。
「自分で考え」「自分で決断し」やってみて、その「結果を受け入れる」。成功であれ失敗であれ、そうした経験を積み重ねる中で「自分はできる」という自己肯定感と逆境にも負けない精神的な強さが育まれます。
子どもの自主性を高めるためには保護者の関わり方が重要です。ここでは、「心の免疫力」をアップさせるために保護者ができる3つの具体的なステップをご紹介します。

■ ステップ1: 保護者は「口出し」はせず、「問いかける」を心がける
実は、子どもの自主性を奪う最大の原因は、保護者の先回りした指示や口出しであることが少なくありません。子どもへの愛情や心配から、つい子どものやっていること、やろうとしていることに「こっちが良いよ」「こうしなさい」など、指示や口出しをしてしまう。それが、子どもから「自分で考える機会」を奪ってしまうことにるながります。
「心の免疫力」を育むには子どもに「自分で選ぶ機会」を与え、自ら考えることを促すことが重要です。
そして、最も大事なポイントは、「子どもが自分で決めたことを否定しない」「子どもが自分で決めたことの結果が失敗に見えても責めない」という姿勢です。
■ステップ2:「小さな失敗」を「学びとして肯定」する
「心の免疫力」はその名のとおり、成功体験よりも「失敗を乗り越える経験」をとおしてより鍛えられます。
保護者としては、子どもが失敗しないように先回りして守りたくなりますが、過保護は子どもから「失敗」という大事な経験を奪ってしまうことになるのです。
失敗するのが分かっていて黙って見ているのは、気持ちとしては辛いかと思いますが、「失敗は大きな学びの機会 」であると肯定的にとらえ、子どもには前向きな声がけをするように心がけることで、子どもは失敗を乗り越えることにより「立ち直る力」をを得て成長することができます。
声がけをする際には結果よりもプロセスに注目し、そこから得られた学びや、次にどうするかを意識させることがポイントです。そうすることで、失敗を恐れなくなり子どもは果敢に挑戦することが出来るようになります。
■ステップ3:「見守る時間」を意識して作る
子どもが物事に取り組んでいるとき、じっと黙って見守ることは保護者にとって最も難しいことかもしれません。つい、手を貸してしまったり、口を出してしまったりするものですが、そこはぐっとこらえて「見守る」を意識してみてほしいのです。
そうすることで、子どもに「自分で考え、解決することができる」というゆるぎない自信を与えることができます。
子どもが助 けを求めてきた時も、すぐに答えを教えたり、直接手を出したりせず、まず子どもがどうしたいのか子どもの意思を聞くことから始め、そして解決に向けたヒントやアドバイスを与えて子どもに自ら考えさせるように促します。
子どもが困っているとつい手を貸してしまいたくなりますが、そこは子どもが自分で「試行錯誤している時間」として尊重し、見守りましょう。
子どもの「心の免疫力」をUPさせるために必要な自主性は、毎日の小さな選択と挑戦を通して育まれるものです。
保護者がすべきこと、できることは、子どもから「考える機会」を奪わず、「あなたは自分でできる」という信頼を、眼差しと声かけで子どもに伝えることです。
子どもたちが自ら社会に出る時が来た時、その時代 をしなやかに生き抜く強い心を子ども時代に育んできたか否かが、その後の人生を大きく左右する分かれ目になるかもしれません。


