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なぜ保育士配置基準は見直す必要があったのか?
保育士配置基準が改善されることで具体的にどのような変化が期待できるのか
課題と今後の展望
なぜ保育士配置基準は見直す必要があったのか?
2024年度から、少子化対策のひとつとして保育士の配置基準が見直されることとなりました。保育士の配置基準が改善されたことは、子どもたちのより良い保育環境の実現に向けて大きな一歩と言えるでしょう。そもそも保育士の配置基準は長らく見直されていませんでしたが、少子化が進むいっぽうで共働き家族が増え、保育の需要は高まる中、より質の高い保育を提供するためには今回のように保育士の配置基準を見直すこととなりました。
配置基準の見直しで2024年度から以下のように変更されました。
・4歳児と5歳児の配置基準:30人につき保育士1人から25人につき1人
・3歳児の配置基準:子ども20人につき保育士1人から15人につき1人
※2025年度以降には、1歳児の配置基準も6人につき1人から5人につき1人へと改善される予定です。
これは、保育士一人あたりの担当する子ども数が減り、よりきめ細やかな保育が期待できることを意味します。
また、この配置基準の見直しによって保育士1人が見る子どもの数が減ることで、精神的な負担が減り、子どもとのかかわり方も変わってくることで、どちらにとっても良い影響がうまれることが期待されています。
保育士配置基準が改善されることで具体的にどのような変化が期待できるのか
一人ひとりの子どもに目が行き届く
保育士が一人ひとりの子どもに目を配り、個々の発達に合わせた保育を行うことが可能になります。
より安全な保育環境
保育士の目が行き届くことで、子どもの安全がより確保されます。
より質の高い保育
保育士が子どもたちとじっくり関わることで、より質の高い教育や遊びを提供できるようになります。
保育士の精神的負担の軽減
大勢の子どもたちの安全などに気を配りながら保育をするのは大変です。保育士の仕事の責任は重大で、体力的な負担もさることながら精神的な負担も大きいものです。ですから、1人で見なければならない子どもの人数が減ることで、保育士の精神的な負担も軽減されるといえるでしょう。
負担が軽減され保育士に余裕が生まれることで、結果的に子どもたちへ質の高い保育を提供できることへもつながることが考えられます。
課題と今後の展望
長く見直されてこなかった保育士の配置基準が改善されたことは、大きな進展ですが、依然として課題も残されています。
最も大きな課題は、深刻な人材不足です。保育士は、子どもの預かり時間だけではなく書類作成などの事務仕事や翌日の準備はもちろん行事の準備など、多岐にわたる業務をかかえていて長時間労働になりがちです。子どもたちの相手をするため体力的な負担も大きいのはもちろん、子どもたちの命を預かるという責任も重く、保護者とのコミュニケーションや様々な対応を求められるため、精神的な負担も大きくなりがちです。
「保育のプロ」という専門職であるのに対して給与は他の職種と比べて高いわけではありません。こうした理由から現状としては保育士のなり手が増えていかない状況にあると考えられます。他にも財源の確保、施設の整備なども行う必要あります。