-目次-
1. 育児休業給付金制度の改正で給付金が増える?
2. 給付率の引き上げで実質手取り10割給付?
3. 時短勤務者が対象の育児時短就業給付って?
1.育児休業給付金制度の改正で給付金が増える?
2025年4月、育児休業給付金制度が大きく変わること、知ってましたか?
手取り10割相当の給付金が受け取れるケースもあるなど、育休を取得するかもしれない子育て世代には気になるニュースではないでしょうか。
今回の改正で大きく変わるのは「給付率の引き上げ」「育児時短就業給付の創設」です。では、具体的にはどのように変わるのでしょうか。

2.給付率の引き上げで実質手取り10割給付?
育児休業給付金は原則として休業開始から180日までは賃金の67%。181日目以降は50%が支給されていました。今回の改正では「出生後休業支援給付金」という新しい制度が創設されます。 出生後8週間以内に夫婦ともに14日以上育児休業を取得した場合、最大28日間についてという条件がありますが、今までの育児休業給付金にこの給付金が上乗せされると、給付率が8割にアップされます。 これは、手取りに換算すると10割相当になるのです。
「出生後休業支援給付」は、夫婦そろって出生後休業を取得することを前提としていますが、以下の1~3のケースは「配偶者の育児休業の取得を求めずに支給する」ことが可能です。つまり、本人のみの育休取得で受給が可能となります。
(1) 配偶者がいない場合(いわゆる「ひとり親家庭」)
(2) 配偶者が雇用労働者以外(自営業やフリーランス)
(3) 配偶者が専業主婦(夫)

3.時短勤務者が対象の育児時短就業給付って?
今までは育児休業から仕事に復帰して、時短勤務となった場合賃金が少なくなってしまった方への給付は特にありませんでしたが、今回の改正から2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をしている方が時短勤務によって減ってしまう収入の一部を補填してもらえるようになります。これが「育児時短就業給付」です。具体的どのくらい補填してもらえるのかと言うと、時短勤務で支払われた賃金の10%が給付金として支給されます。時短になった分を完全にカバーできるまでとはいかないことに加え、子どもの年齢が2歳未満という条件もありますが、それでも今まで時短による減収をカバーする制度が全くなかった分、ありがたい制度ではないでしょうか。

夫婦共稼ぎが普通になっている中で、育児休業中や時短勤務中に収入が減ってしまうことは避けられないことでした。また、妻だけでなく夫の育児休暇取得が推奨されていても、実際には二人とも同時に休めない理由のひとつとして収入が減ってしまうことが問題があるのであれば、今回の制度の改正によって夫婦とも育児休業を取得する後押しになるのではないでしょうか。
なお、育児休業給付の延長手続きについては同タイミングで厳格化されます。これについては別記事でご紹介します。